こんにちは、mihiです。
「MODO」を使い、建築CGを作り続けて早14年あまり。
そんな私が「MODO」が建築CGに向いているのか?
というお話を、以下の内容でしようと思います。
本記事の内容
- トータル的には向いていない。
- モデリングは抜群に速い
- 3dsMAXとの使い分けは?
トータル的には向いていない。
いきなり否定的でなんなんですが・・・
私は今「MODO」と「3dsMax」の両方を使用する
ワークフローを取っています。
理由1.「アイテム数が増えると、正直しんどい」
10年以上前の私は、おおむね建売住宅程度の規模の建築CGをメインに制作していました。
アイテム数もそんなに多くなく、「MODO」のウリの1つである、
「シェーダツリー」という概念も、柔軟な設計で私の中で「MODO」は新境地でした。
ですが、それから徐々に大型物件の案件を頂く機会が増えてきて、
「Revit」のデータを「FBX」でもらい、「MODOで利用する」
という場面に出会ったのですが、この時「MODO」に限界を感じました。
なぜか?
それは「Revit」から吐き出されたモデルデータのアイテム数が、
1万を超えていて(インスタンス含む)ビューポートがまともに動かない・・・。
「Revit」の書き出し方法を変えてもらえば(マテリアルでまとめるなど)圧倒的にアイテム数は減らせますが、そうすると今度は「MODO」での編集が大変になります。(共有してほしくない頂点が共有されてしまうなど)
結局その時は、1万アイテムを1アイテムにまとめてしまって、
コツコツ整理・編集した記憶があります。
じゃあ、アイテム数が少ないとイケるのか!?
これもまた微妙な問題で・・・1アイテム内に100万ポリゴンあたりでは、
移動ツールの起動に待たされたり、スナップが有効になっていた日には、
「MODOが返ってこない」オワタ\(^o^)/
なんて悲しい結末に見舞われます。
ですので、大規模な案件では正直しんどいです。
理由2.「シェーダツリー」は「諸刃の剣」
多くの3DCGアプリケーションでは、マテリアルの管理に「ノードベース」を採用しています。
というか「MODO」以外は「ノードベース」じゃないでしょうか?
「MODO」の「シェーダツリー」という概念は、「Photoshop」のようなレイヤー構造によってマテリアルを管理するという、とても画期的な概念です。
詳細は省きますが、一つの使い方の例として「1つのマテリアルタグで何種類ものバリエーションを持たすことが可能」です。
例えば、建物の外壁のバリエーションを検討したいとします。
「外壁」というマテリアルグループの中に、検討したいテクスチャ等を複数積み上げておいて、それぞれをON/OFFすることによって、マテリアルは1つでも複数のバリエーションを作成することができます。
上記のように、「シェーダツリー」はレイヤー構造なので、
上位レイヤーを有効にすると下位レイヤーの情報は上書きされるので、
このように、1つのマテリアルグループで3つのバリエーションを作成することができます。
「ノードベース」の場合は、こういった使い方はできませんね。
(V-Rayの場合、スイッチマテリアルを使えば同じようなことも可能になりました。)
これはほんの1例にすぎませんが、レイヤーベースというのはとても便利で、
トリッキーな使い方ができます。
しかし・・・マテリアルが増えてくると、やはりビューの更新が重くなってきます。
マテリアルを編集しても、何も変わらない・・・。
この場合、大体上位レイヤーに同じ名前のマテリアルグループが存在していて、設定を上書きされているケースがほとんどです。
建築CGをやっていると建物だけではなくて、
インテリアパースの場合には「小物」や「観葉植物」や「家具」など、
大量のオブジェクトに大量のマテリアルが存在します。
「シェーダツリー」もマテリアル数に伴って階層が複雑になり、
レイヤー数も大量になって管理が大変です。
便利で複雑なことができる反面、管理も細心の注意が必要です。
理由3.MODO用のアセットがほぼ売っていない
やはり建築CGと言えば、「3dsMax」です。
もう、これはゆるぎない事実で変えようがありません。
デファクトスタンダードは「3dsMax」
なので、「3dsMax」+「Vrayマテリアル設定済み」アセットは、
あまた多く販売されていて、購入したアセットを「ポン置き」でレンダリングできてしまいます。
時間はお金で買えます。
車や小物や植物など、メインの建物以外の作業に時間を費やすのはもったいないです。
よほど特殊でアセットが売っていない場合以外は、自分でアセットをモデリングすることはありません。
しかし「MODO」の場合は、アセットを購入したとしてもマテリアルの再設定という不毛な作業が待っています。
最近はほんの少し、「MODO」用のアセットも販売されていますが、
「3dsMax」の比ではありません。
この建築CG業界にレボリューションでも起こらない限り、
この「3dsMax」の権力に抗うのは無理でしょう。
理由4.外部参照が怪しい
大きなシーンになってくると、すべてのモデルデータを一つのシーンに保存するのは、データ量の面で不利です。
保存にも時間がかかります。
そこで「参照を読み込み」という機能があります。
重いアセットや、メインの建物以外の周辺環境のシーンファイルは別のファイルに保存しておいて、メインのシーンに参照という形で読み込むことで、
メインのシーンファイルのデータ容量を少なくできるのですが、
この機能の挙動がどうも怪しい・・・。
シェーダツリーに起因するバグなのかは不明ですが、
参照元のシーンを更新してもマテリアルが更新されなかったり、
そもそもオブジェクトが更新されなかったりと、すこし不安定です。
その点において「3dsMax」は強いですね。
ざっとこの4つの大きな理由によって、
私個人として、トータル的には向いていないと思っています。
モデリングは抜群に速い
散々否定的なことを先に書いてしまいましたが、
「MODO」のポリゴンモデリングの柔軟性・利便性は群を抜いています。
特に、建築モデリングといった、寸法をキッチリと正確にモデリングしなければならない場面では、「MODO」のモデリングツール群が大いに活躍してくれます。
「アクションセンター」「アクション軸」「スナップ」「作業平面」
特にこれらの機能は、建築CADのごとく、正確なモデリング操作を捗らせてくれます。
「MODO」を使いだした頃は、これは建築モデリングをするためのツールなのでは!?と思ったほどです。
「アクションセンター」と「アクション軸」はセットで使うことが多いですが、
・「アクション軸」は、どの方向へハンドルを操作するのか?
という設定になります。

「作業基点」をまず設定して、「参照座標系」を「作業」へ変更して、やっと同じことができます。
「MODO」は、自分がやりたいことへのアプローチが最短で行えるので、
作業スピードはかなり速くなります。
「3dsMax」は建築に強いと言われているようですが、
建築モデリングに関しては、全然ピンときません。
このあたり、モデリングにおいて同じ事をしようとする場合の、
「MODO」と「3dsMax」との比較記事も書いていこうかと思います。
3dsMaxとの使い分けは?
「MODO」は「建築モデリング」にはとても向いているのですが、
フィニッシュワークまで一貫させるとなると、先に述べた通りしんどい場面が多く出てきます。
「3dsMax」はモデリングが自分的にはイケてないだけで、
それ以外の部分では「神ツール」です。
- 充実したアセット
- 豊富なプラグイン
- ちょっとやそっとでは音を上げない。(データ量的に)
- 外部参照が強い(メインシーンを軽く抑えられる)
- Revitデータをダイレクトインできる
- V-Rayとの親和性は一番
- corona render との親和性も一番
特に、プラグインの「RailClone」と「ForestPack」については、
建築CGを制作するうえでは不可欠な存在です。
どちらもスキャッタ系のプラグインですが、
「MODO」のスキャッタ機能の「リプリケータ」では、太刀打ちできないほどの高機能です。
「MODO」の強み
- 正確な建築モデリングが速くできる
- UVマッピングがしやすい
「MODO」の弱み
- 大規模シーンに弱い
- すぐに利用できるアセットがほぼ無い
「3dsMax」の強み
- 大規模シーンに強い
- すぐに利用できるアセットが豊富
- プラグインによる武装で効率化ができる
「3dsMax」の弱み
- 正確な建築モデリングをするには手間がかかる
ご覧の通り、建築CGを制作するにあたって、
それぞれの「強み」と「弱み」をお互いに補い合える存在が、
「MODO」と「3dsMax」の組み合わせだと思います。
一つのツールでフィニッシュワークまで持っていければ理想ですが、
色々なツールを組み合わせて、お互いの弱い部分を補いながら作業を効率化するのもアリではないでしょうか。