今日は「V-Ray」を使われている方向けの内容となっています。
数回にわけて、実用的な方法まで解説していきます。
ダウンライトの穴を天井に開ける場合、みなさんはどうされていますか?
私は「V-Ray」を使うまでは、本当にポリゴンを刻んで穴を開ける以外に方法がありませんでしたが、
「V-Ray Distance」を使用することで、ポリゴンを刻まずに疑似的に穴を開けることが可能です。
たくさんダウンライトを配置したり、位置の変更時にも柔軟に対応できるテクニックをご紹介します。
「V-Ray Distance」とは?
「V-Ray Distance」は「テクスチャマッピング」のひとつで、
「オブジェクト(ポリゴン)」からの距離によって色を変化させることができる、
特殊なテクスチャです。
以下の画像の例では、平面ポリゴン(Plain)に対して、
「V-Ray Distance」を「ディフューズの色」へ指定し、
円柱オブジェクト(Cylinder)からの距離によってカラーを変化させている例です。
・円柱を移動させてみると、以下画像のようにカラーの変化の位置も変わります。
・円柱を2本に増やしてみました。
この特性を利用することで、簡単にポリゴンに穴を疑似的に開けることが可能となります。
「V-Ray Distance」を「オパシティマップ」として使用する
疑似的にポリゴンに穴を開けてみましょう。
「平面ポリゴン」と「円柱オブジェクト」を用意する。
- まずは穴を開けるための平面ポリゴン「Plain」を用意し、
マテリアル名を「Plain」として割り当てます。
このとき、MODOのマテリアルでは穴を開けることができないので、
「V-Ray Material」を割り当てておいてください。 - 穴開け用の円柱オブジェクト「Cylinder」を用意します。
こちらも同様に、マテリアル名を「Cylinder」として、「V-Ray Material」割り当てておきます。
「V-Ray Distance」を追加する
「Plain」のマテリアルグループを選択し、
「レイヤー追加」→「V-Ray Textures」→「V-Ray Distance」を追加します。
追加した「V-Ray Distance」を選択し、
「Objects」の項目に「Cylinder」アイテム指定します。
レンダリングしてみると、円柱の周りから外に向かって
黒→白にグラデーションしていると思います。
「Cylinder」の「V-Ray Material」を選択して「Opacity Grayscale」を「0.0」とし、
円柱を透明にします。
レンダリング結果がコチラ。
円柱のポリゴンの位置から色が変化していることがよくわかります。
「Plain」のマテリアルグループの「V-Ray Distance」を選択し、
「エフェクト」を「vmtl Opacity Grayscale」に変更してみましょう。
レンダリング結果がコチラ。
少しわかりにくいですが、ポリゴンが所々抜けて透明になっています。
オパシティマップは基本的に、
・「白色」完全に抜けない。
・「黒色」完全に抜ける。
という原理なので、中間トーンのグラデーション部分ではエラーが起こりやすい感じです。
ですので、このままでは使えません。
そこで、「V-Ray Distance」のプロパティを以下画像の通り設定します。
・「Inside Separate」にチェック
・「Inside Solid」にチェック
・「Inside color」→「真っ黒」
・「Outside Separate」にチェック
・「Outside Solid」にチェック
・「Outside color」→「真白」
レンダリング結果がコチラ。
円柱の形で穴が開きました(透明になっている)。
このように、「V-Ray Distance」を使用することで、簡単にポリゴンに穴を開けることが可能になります。
気を付ける点は、「Cylinder」のポリゴンが確実に「Plain」に突き刺さっていないと、いけません。
こんな感じの複雑な位置の穴開けも変更も、この方法なら自由自在です!