MODO14.2がリリースされましたね!
今日は建築CGをMODOで制作されている方に”うれしい機能”を紹介します!
「リプリケータ」に数種類のアイテムを「原型となるアイテム」として含ませてばらまく場合に、
ばらまかれるアイテムを、ポイントソースとなる頂点毎に「特定のアイテムに指定したい」時って無いですか?
今までは完全にランダムにばらまかれてしまうので、
個別にアイテムを指定することはできませんでしたが、
今回のバージョンアップで可能となりました。
正直、直感的な方法ではないですが実現できるようになったのは良いことです。
まずは、ばらまくアイテムを用意
以下の画像のとおり、
- Cylinder
- Sphere
- Cube
の3種類のアイテムを「リプリケータ」でばらまこうと思います。
ばらまかれる位置のポイントソースを用意
今回は12個の頂点を「ポイントソース」として用意しました。
リプリケータの追加
- リプリケータの追加
- 左ビューポートの表示
- ビューポートの種類を「スケマティック」に設定
スケマティックでアイテムを設定
原型となるアイテムの
・Cylinder
・Sphere
・Cube
ポイントソースアイテムの
・Point Source
リプリケータアイテムの
・Replicator
を選択して、「スケマティック」へドラッグアンドドロップで放り込みます。
アイテムの選択を解除して、
スケマティックでアイテムを見やすいように以下画像のように再配置します。
まず「パーティクルソース」と「Point Source」をつなぐ
ばらまくアイテムをまとめて「プロトタイプ」へつなぐ
- 原型となるアイテムを3個まとめ選択。
- 「Shift」キーを押しながら「Replicator」の「プロトタイプ」へつなぐ。
- 「Replicator」を選択。
- 「ソースモード」を「パーティクルデータ」へ設定。
- 「パースビュー」上で「O(オー)」キーを押して「リプリケータ」の項目を「全て」に設定。
リプリケータで3種類のアイテムがランダムにばらまかれています。
パーティクルアイテムマップを作成する
- 「Point Source」アイテムを選択。
- 「頂点マップ」タブを選択し「パーティクルマップ」から「新規マップ」をクリック。
- 「頂点マップのタイプ」を「パーティクルアイテムマップ」に指定して「OK」を押す。
これは「スケマティック」で「Replicator」の「プロトタイプ」の一番上につなっがっているアイテムがばらまかれている状態です。(プロトタイプ左にある▶を開くとつながっている順番がわかります)
ラインがねじれて上下関係がわかりにくいので、
アイテムを再配置します。
真ん中の4個を「Sphere」になるように設定する
「Point Source」アイテムを選択して、真ん中の4頂点を選択します。
以下のようなウインドウが出るので、
・「頂点マップのタイプ」を「パーティクルアイテム」に設定。
・「値」を「0.34」にして、「OK」を押します。
すると、以下のように真ん中の4頂点の位置に「Sphere」が配置されました。
同じ要領で右側の4頂点を「Cylinder」に変えてみましょう。
- 「Point Source」アイテムを選択して、右側の4頂点を選択します。
- メニューバーの「頂点マップ」から「値の設定」を選択します。
- 「頂点マップのタイプ」を「パーティクルアイテム」に設定。
- 「値」を「0.67」にして、「OK」を押します。
ご覧の通り、右側4頂点は「Cylinder」を指定することができました。
アイテム指定のルールはどうなってるの?
いままでの手順でおわかりいただけたと思いますが、
ポイントソースの頂点に対して直接アイテムを指定することはできません。
パーティクルアイテムマップによってばらかれるアイテムを指定するルールは、
「リプリケータ」の「プロトタイプ」につながっているアイテム数の割合
ということになります。
感の良い方はもうお気づきでしょう。
今回は、
・Cube
・Sphere
・Cylinder
の3つのアイテムが「プロトタイプ」につながっています。
ですので、割合として1アイテムの持ち分は、
1÷3≒0.3333333333…
ということになります。
つまり、
・「Cube」は「0~0.33」までの範囲の値。
・「Sphere」は「0.34~0.66」までの範囲の値。
・「Cylinder」は「0.67~1.0」までの範囲の値。
となります。
先ほどは、値の設定に各アイテムの範囲の下限値を設定しましたが、
その割り当てられた範囲内の数値なら、どの数値を指定してもかまいません。
例えば「Sphere」の場合は、「0.5」と指定しても結果は同じです。
仮にアイテムが5個つながっている場合は、
・1個目 = 0.0 ~ 0.19
・2個目 = 0.2 ~ 0.39
・3個目 = 0.4 ~ 0.59
・4個目 = 0.6 ~ 0.79
・5個目 = 0.8 ~ 1.0
といった具合になります。
プロトタイプの順番は後からでも変えられる
ちなみに「プロトタイプ」につながっているアイテムの順番を後になって変えたい時は、
順番を変えたいアイテムの接続を一旦外し、
挿入したい位置へ接続ラインを持っていくと、
画像ではわかりにくいかもしれませんが、若干薄暗くなるポイントがあります。
上記画像の場合、「Cube」と「Sphere」の間に「Cylinder」を入れこもうとしています。
若干、挿入位置が薄暗いのがわかるでしょうか?
この位置でマウスをはなすと、2番目に「Cylinder」が挿入されます。
いかがだったでしょうか。
直感的ではありませんが、ばらまくアイテムをコントロールできるようになったのは、
とても大きな進化だと思います。
たとえば、複数のデザインの異なる椅子を「リプリケータ」で配置する場合を想像してみてください。
今までは、1つのデザインの椅子に対して1つの「リプリケータ」・「ポイントソース」を準備する必要がありました。
ですが、14.2では複数のデザインの異なる椅子を配置する場合、
「リプリケータ」・「ポイントソース」は1つで済むことになり、
シーンの管理が楽になるのではないでしょうか。
車のばらまくときなんかにも、応用が利きそうですね。
(この位置の車は、この車種がいいといった場合など)
正直…ForestPackの手軽さと賢さにはかなわないですけどね…(;’∀’)